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御鷹場通信は諏訪流放鷹術研究所 所長のブログです
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ADIHEX20102010年 9月 26日 (日) 22時 31分
 9月22〜25日の4日間、アブダビで開催されている国際狩猟と馬術の展示会(International Hunting And Equestrian Exhibition)に参加させていただきました。 今年で7年目の参加となりますが、会場内はさらに拡大され、車やダイビング用品、写真等が増えるなど、ますます洗練された雰囲気が感じられました。
 今年の夏は日本も非常に気温が高かったせいか、日中はまだ暑いとはいえ朝晩は非常に快適に過ごすことができました。例年、鷹狩を知らない一般の人々や欧米の観光客のために据替(すえかえ:他の人に鷹を据えさせること)を行っているのですが、今回は知人の鷹匠が息子さんのオスのシロハヤブサ「NARUTO」を提供してくれました。堂々とした体格と落ち着きがあり、今まで見てきた中では特に品格が感じられるような、据えていてとても楽しい鷹でした。鷹狩は地元では伝統文化として認知されているため、むしろ日本にも鷹狩文化があることを知ってもらう良い機会となっています。
 毎年出会う友人や仲間たちとの交流も楽しく、展示会は国や宗教、さらには役職などの垣根を越えて、共通の文化について共感できる貴重な機会となっているように思います。短期間の滞在ながら、私をいつも家族のように扱ってくれる地元の知人たちには感謝してもし尽くせないような気持でいっぱいです。
シロハヤブサ
ひとつの文化を守り、生かすためにはその文化に携わる人々、そして文化の外にいる人々との相互理解が不可欠で、そう言うと難しく感じますが、その根底にあるのはおもてなしや感謝といった心の問題ではないかと思います。国内にいると、こだわりや主張など自身の理念が強くなりがちですが、海外にいるとそれがとても些細なことに感じられ、鷹揚に過ごせるような気がします。

院展20102010年 9月 19日 (日) 4時 58分
 再興第95回院展が、日本橋三越本店の本館・新館7階ギャラリーにおいて9月8日〜20日まで開催されておりますので、御紹介致します。本年も当保存会の顧問をしてくださっております今井先生の御招待を受けて、拝観に伺いました。
 東京都美術館のイメージが定着している院展ですが、大正3年、横山大観氏らによって再興された日本美術院による第1回展覧会は、日本橋三越旧館で開催されたそうです。本年は故平山郁夫氏を偲び同氏の作品が数点展示され、また展示されている作家自身によるギャラリートークなども開催されていました。今井先生を始めとして、強い個性を持つ画家の作品は題材が異なっていても、遠目にもすぐにそれとわかりますので、毎年楽しみにしています。
 伝統的な花鳥風月から現代的な風景や人物、あるいは幻想的な心象風景まで、現代日本を代表する作家たちの多彩な作品を一堂に見られる貴重な機会に思います。休日の銀座でお買い物の際にでも、お立ち寄りになってはいかがでしょうか。
今井珠泉 『颯』

鳥筏2010年 9月 19日 (日) 2時 01分
 ガビチョウが時々庭に遊びに来ては、鷹の動きが届かない距離で騒ぎたて、周辺で舞い上がるトンボなどを取って行きます。これも鷹を利用した小鳥たちの知恵の一つなのかもしれませんが、とても賢い鳥のように感じます。
 先日、猛禽に関連したいくつかのTV放送について御連絡頂き、見る機会がありました。教えてくださった皆様に感謝申し上げます。見たことのある映像もあったので、再編集されたように思われましたが、近年は日本でもだいぶ鳥の動く映像がきれいに撮れるようになったように思います。
 その中で紹介された狩の映像の一つに、オオタカがカラスを水中に水没させて捕るというものがあり、鷹匠にとってはとても馴染みの深い狩の技のため面白く感じました。オオタカが捕った獲物の上に乗りながら水面を泳ぐように岸まで渡ることを「鳥筏(とりいかだ)」といい、オオタカの最も得意な狩の技の一つとして昔から書物にも見られます。
ガビチョウ
 オオタカは非常に多彩な技を持っており、繊細な神経を傷つけないよう常に一定の距離を置いて接し、警戒心を解いてやることができれば、彼らは育ち方や能力の差こそあれ、自身で考え、気づき、やがて得意な狩の方法を自然に披露してくれるようになります。

文化講習会20102010年 9月 19日 (日) 1時 52分
 9月5日、今年の文化講習会として、朝霞市立博物館所蔵の絵画ならびに鷹道具の閲覧を特別にお願いし、見学会を行いました。更新の不具合のため、御連絡ができず御迷惑をおかけしたことをお詫び致します。
 埼玉県朝霞市周辺は江戸時代、将軍家の御拳場(おこぶしば:将軍の狩場)であり、尾張藩の御鷹場でもあったという由来から、同館では鷹狩文化に関連した絵画、鷹道具等を蒐集されています。
 同館が購入された鷹道具は小林宇太郎氏と縁戚関係にあった大宮流の坂本貞生氏が宮内省在職時代に使用された物のようで、大宮流は諏訪流と同系統の神社に仕えていた流派であり、鷹書からも諏訪流への影響が強く示唆されています。若干の違いや共通点から、江戸時代〜明治時代初期の鷹道具の変遷の手がかりを得ることができました。坂本氏は花見先生より3歳年上の先輩にあたりますが、残念ながら早くに亡くなられたようです。 
鷹場杭
 江戸時代に育まれてきた放鷹術の多くは、鷹匠の家系や流派の消滅とともに失われてしまいました。が、一つ一つの道具に込められた鷹匠のこだわりや想いを汲んであげることも、現代に生きる鷹匠の役割ではないかと思います。
 その後、同館近くに残されている鷹場杭を見学して帰りました。鷹場杭は御鷹場の境界に立てる標識のようなもので、2本が同じ場所に設置されていましたが、書かれている内容から元は別々の場所にあったものが開発等により移設されたと思われます。
 文化講習会は現在のところ夏のオフシーズンのみ実施しておりますが、良い機会があれば、今後も様々な文化的な企画を実施したいと思っております。御理解のほどよろしくお願い申し上げます。

冬支度2010年 9月 04日 (土) 18時 08分
 夏休みも終わろうかという先月末、知人から美味しいお蕎麦やお酒を頂く機会があり、無性に焦るような余裕のない気分から少し開放された気がしました。言葉以上にそのようなお心遣いが嬉しく、応援してくれる人がいると感じられることをとても励みに感じました。
 日中の残暑は厳しいですが、朝夕の風はだいぶ涼しくなり、明け方には栗を拾いに再びリスがやってくるようになりました。まだ青い実を夜中に他の獣が齧りに来ているようで、そのために落ちた栗を早朝、リスが食べているようです。夜はムササビが来ているのかもしれません。
 山の動物たちは初秋から早々と冬支度を始めているようです。私の犬も青い栗から出る汁の甘みが好きのようで、イガを外してやると生のままかじっています。
サワグルミをつたうリス

遠回り2010年 8月 27日 (金) 22時 05分
 先日、下級生の女の子の相談に乗る機会があり、退学し他の学校に進学するという決断から最近の失恋話まで、珍しく長話をしました。別れ際、久しぶりにガールズトークができて嬉しかったと言われ、そういう意識がなかったのでなんだか恥ずかしいというか、高校生のような気分になりました。迷いの多い人生で、何かを決断するというのは他人から見れば小さなことであっても勇気がいるものだと思います。私も人に助言できるほど器用に生きていませんので、ただ彼女の思いが良い方向へと進むよう願っています。
 が、退学の話を聞いた同期の男の子は、そのような遠回りは無駄だし就職が困難になるだけだ、と非常に批判的でした。来春、教職がほぼ決まっている彼は、20代ながらこの先の人生で特にやりたいことはなく、格別欲しい物もない、と言いました。「まぁ失敗も良い経験じゃないですか」と他人事として淡々と語る姿に、最も安定した人生を送るのはこういう人なのかもしれないと思いました。
 ヤマアジサイは開花期が長く、雨にも強い丈夫な花です。里では華やかな改良品種に負けますが、山では雨上がりの明け方や満月の下などで映える清々しさがあります。地味な花でも相応しい場所を得れば、存在感があるものです。土壌の酸性が強いと青み、アルカリ性が強いと赤みが強くなるアジサイは、どちらに染まっても美しく、一目見るため寄り道しても良いと感じます。
ヤマアジサイ

『雷桜』2010年 8月 23日 (月) 14時 40分
 10月22日公開予定の映画『雷桜』の関係者用の試写会に招待され、一足先に拝見することができました。宇江佐真理原作、廣木隆一監督による本作は、身分の異なる若い男女の純愛を中心に、家族や家臣といった彼らを見守る人々の愛、彼らを取り巻く社会の定めといった世界が、情緒的かつ意外なほど爽やかに描かれています。
 身分と言われると共感しづらいかもしれませんが、現代でも貧富・学歴・身体能力等、厳然として様々な格差が存在しています。青春の前では醜いとされる大人の思惑も、子供への愛のためだったと後で気がつくこともあります。純愛は見守る大人たちの支えという枠があってこそ、純粋なままでいられるのかもしれません。
 人は意識する、しないに関わらず、自分なりの枠や固定観念に囚われやすく、自由奔放と言われる人であっても、案外狭い世界に生きていたりします。ここでしか生きられないという思いや未知の世界への恐れから、都会に出られない人もいます。限られた人生であることを知りながら、いつかまた、という夢に救いを求めることもあります。
『雷桜』チラシ (c)2010「雷桜」製作委員会
 一生を賭けて夢を抱き続けるということは、苦悩の種を蒔くようなものかもしれません。が、種を蒔く人は芽吹く時を知り、まだ見ぬ明日が訪れることを信じられる人でもあります。再び出会う桜に永遠を求めて、人々は巡る季節に切なる想いを託します。
 恋する二人の出会いのきっかけに鷹が描かれている関係で、鷹師、私、そして鷹匠役として認定されたばかりの櫛田鷹匠補が協力致しました。鷹は鷹師のオオタカ「仁風」を塒入前に使いました。初めての映画協力でしたが、使われなかったシーンも含め、全ての要望に応えることができました。鷹が空高く舞い上がる、旋回しながら俳優を見つめるといったあらかじめできないと伝えた部分はCGになっていますが、接写から馬の側での演技まで、仁風はとても頑張ってくれました。私はお手伝いしただけでしたが、鷹の能力を活かすにはどうしたらいいのかを知る上で、非常に良い経験になりました。
 オオタカは渡りや繁殖期を除き、理由なく上空を長く旋回することはほとんどありません。が、猛禽というとトビのイメージが強いのか、試写を見る限りではオオタカなのにトビの鳴き声や旋回のイメージを加えられてしまっていたのが残念でした。内容には全く影響していませんので、気にするのは鷹匠だけかもしれません。
 映画をご覧になられる方は、なによりもまず主演の岡田将生、蒼井優の透き通るような眼差しの美しさ、清々しさに引き込まれることでしょう。また、タイトルの由縁となる「雷桜」の四季折々の変化も見どころの一つではないかと思います。好みはあると思いますが、「ロミオとジュリエット」のような初々しい恋愛映画が好きな方はぜひ、劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。

晩夏2010年 8月 21日 (土) 23時 05分
 連日35度以上に達する厳しい暑さが続いていますが、立秋を過ぎて夕暮れの風はだいぶ心地良くなってきました。鷹も塒が進み出し、ホッとしています。門下生からは待ちに待った第一子誕生の報が届くなど、喜ばしい話が続き元気をもらっています。
 先週、ある企画に協力するため、鈴木鷹匠補のハリスホークを借りました。企画側からはオオタカをと強く希望されていたのですが、あまりに羽根が抜けており見栄えが悪く、途中で餌をコントロールしたりストレスを与えたりすると不健全な羽根が生えてくる場合があるため、お断りせざるを得ませんでした。どうしてもこの時期しか都合がつかないということでしたので、猛暑の都内で撮影を行うことになりました。
 泊りがけで対応したのですが、日陰に止めておいた車の中でさえ早朝から温度が上がり、何度も冷房をかけにいくなど気が気ではありませんでした。こちらの心配をよそに鳥は普段と変わらない態度で、暑さに強い長所をいかんなく発揮してくれました。
ネムノキにとまる塒中のヒヨドリ
 ハリスホークは近年入門種として、またショーバードとしても人気が高く、扱いが楽という理由で飼育される方も多いフレンドリーな鳥です。知能が高く、穏やかな性格ですが、飼い方によっては神経質になる、悪い癖が出る、といったことが無いわけではありません。
 人間は触ったり話しかけたりすることで可愛がっていると考えがちですが、猛禽は人間と遊ぶことに喜びを感じたりはしません。彼らに安心感を与えられるように接するのが、鷹匠のつきあい方ではないかと思います。そのためにも人間が伝えたいと思うことを鷹が理解してくれるよう、日々努力しています。

お盆2010年 8月 19日 (木) 22時 09分
 先週、所用の合間をぬって鷹匠装束の受け取りも兼ねて、2日間だけ実家に帰りました。着物を作る場合、専門の業者に頼む方が多いと思いますが、私の場合は装束のほとんどを母に仕立ててもらっています。お陰でとても身体に馴染みますし、着る時はいつも、母の想いと一緒にいられるような気がしています。
 今年は昨年末に生まれたばかりの姪とも顔を合わせることができ、可愛く元気な子供たちから沢山の元気をもらいました。幼稚園に通う甥はお金の計算がとても早く、今の子供は現実的だなあと思いました。カードゲームなどの遊びを通して、自然と身についているようです。
 信心深くない私でも、仏壇に手を合わせたり祖父母の写真を眺めたりすると、感慨深いものがあります。健康で長生きするためには、相当の努力をされていたということを年々実感するようになりました。こんな時ばかり、それも都合の良いことをお願いしているのはわかっていながらも、未熟な私を見守っていて欲しいとつい願ってしまいます。
カワガラス

東京スカイツリー2010年 8月 08日 (日) 1時 21分
 同期の友人が出場するシュートボクシングの応援に行ってきました。実際に見るのは初めてでしたが、試合の合間に様々な趣向が凝らされていて、予想以上に楽しむことができました。かなりアグレッシブな攻撃に自信があるようでしたが、この日の対戦相手は組んでからの投げ技が非常にうまく、相手のペースを崩すことができないままに攻撃も封じられてしまったように見えました。
 時に引き際の話をすることもありますが、燃焼し尽くしたと納得できるまでは頑張ってみたらと励ますようにしています。いずれにしても正解はないと思いますし、すでに安定した仕事と良い生徒に恵まれていてもなお、泥臭く現役にこだわり続けるのも一つの生き方ではないかと思うからです。その時期が自然と訪れるまで、流れにまかせても良いのではないかと思います。
 帰り道、建設中の東京スカイツリーを横目に見ながら、ここをわざわざ訪れることは、その人にとってどれほど貴重な思い出となるのだろうか、と思いました。構造物としてのタワーはドバイのブルジュ・ハリファ、電波塔としてはスカイツリーが世界一になるようですが、いずれ記録は破られるとしても、それを目指す熱意が社会を活気づけるのではないかと思います。
浅草駅周辺から見た風景
 時の流れは歴史的な事業を見なくても日々体感するものです。どう捉えても同じ人生なので、何事も前向きに活かしたいと思っています。

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