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御鷹場通信は諏訪流放鷹術研究所 所長のブログです
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神技奉納20102010年 4月 28日 (水) 1時 25分
 4月11日、日光東照宮において神技奉納を行いました。奉納神事もお陰様で5年目を迎え、多くの方に足を止めて頂きましたことに感謝申し上げます。
 昨年は午前に奉納、午後に実演を実施致しましたが、本年は午前中に五重塔前において続けて実施させて頂きました。非常に限られた空間の中で技を披露するため条件的には厳しく、挑戦的な試みでもありましたが、無事に成功させることができました。
 直前まで小雨が降るなど不安定な天候が続きましたが、奉納神事が始まる頃にはすっきりと晴れ渡りました。徳川家康公の御加護を感じられるほどに、このような行事の際には天候に恵まれていることを感謝するばかりです。
陽明門前にて
 関八州の鎮守を目指し尽力された寅年生まれの家康公にあやかり、寅年の本年も伝統の保存に向けてさらなる努力を重ねたいと思います。経済や政治は必ずしも安定しているとはいえませんが、平和が維持されているからこそ私達は現代に継承されてきた豊かな文化を享受することができます。江戸時代に放鷹文化が隆盛を極めることができたのも、争いのない時代を築かれた先人達の努力によるものではないかと思います。
 そのような時代に思いを馳せながら、本年も私たちの精進を見守ってくださるよう祈念し、御直会では宮司様より励ましのお言葉を頂いて帰途に就きました。

息吹2010年 4月 22日 (木) 21時 03分
 汗ばむような陽気から冬に戻ったかのような長雨まで、不安定な天気が続いています。晴れた日の午後、タラの芽が顔を出しているのを見つけました。八重桜や山桜はまだ残っていますが、花見の時期が過ぎてからの方が、春の息吹をゆっくり感じとれるので落ちつきます。
 かつて大学院を受験した時、前の人に座席の場所を聞こうと背中をつつついたら、当時ロッテで現役の投手でもあった小宮山悟さんだったのでびっくりしたことがあります。あちらも意外そうな表情で「ここでいいんじゃないですかね」と応えられました。それ以来お会いする機会はありませんでしたが、なんとなく良い思い出となっています。彼のように自分のフィールドですでに十分なキャリアのある方が、さらに努力を重ねようとする姿は、とても励みになります。
 要領良く、順調な人生を送る人もいるかもしれません。迷いもなくその道ひと筋に進むことができる人もいるのかもしれません。が、何歳になっても進みたい道を新たに見つけられたなら幸せですし、一生をかけても完成されることのない人生で、自分なりに能力を高めるために努力することを楽しんでいけるなら満足ではないかと思います。
タラの芽

春の雪2010年 4月 17日 (土) 21時 37分
 昨夜から今朝にかけて、多摩地域は真冬のような雪景色となりました。季節外れの大雪に芽吹いたばかりのモモやヤマユリもぐったりうつむいてしまいました。が、天候は目まぐるしく変化し、積もった雪は昼過ぎには消え、3時頃には石の上で日向ぼっこするヘビの姿が見られました。春の雪は幻のようで記憶に留めるばかりです。
 タイで亡くなられたロイター通信日本支局のカメラマン、村本博之さんが当保存会門下生の長年の友人だったと知り、当人の落ち込む姿に改めて事件のこと、そして撮影に臨んだ村本さんの生き様に考えさせられました。御冥福をお祈り致します。
 海外で働きたいと希望する日本人の数は減少傾向にあると何かのニュースで聞いたことがあります。日本が特別好きではないとしても、別に働きたい、暮らしたいと思える外国もない…まして至れり尽くせりと言っても過言ではない国内のサービスに慣れていると、多くの日本人にとって日本で暮らし、働けることが最も快適に感じるのではないかと思います。かく言う私も日本の生活と文化が好きな日本人の一人です。
雪中のカラス
 かつて「ボランティアで海外経験を積んだらどうか」と助言してくれた方がいました。その方は30年に亘り海外、特にアブダビで水産資源開発を指導されている玉栄茂康さんで、御世話になっている石油会社の関係でお話を伺う機会がありました。お酒が強く、心身ともに頑健で孤独に強い印象がありました。最近『アラビア湾のマングローブ革命』(山下春樹著、株式会社パレード発行)という本を読み、海外で働く人はどこか繊細さや詩的なロマン、国内では理解されないほどの強い意志を胸に秘めて生きているように感じました。きっと読んだことを伝えても、照れるか沢山余っているのに、とか言いそうな明るい笑顔と案内してくれたアリヤム島の厳しい環境が眼に浮かびました。
 JICAやJOCV等で派遣されるような国で鷹狩を教えることは難しく、かといって日本や世界の鷹狩文化の役に立つような文化活動をしたいと思っても、自分に何ができるのかを考えることすら容易ではありません。情けないことですが、人の人生をとやかく言うことはできても、自分のことはいかに見えていないかを痛感するばかりです。
 それでもいつか、私を応援してくれている人々に誇れるような報告ができたらと願っています。

アオキ2010年 4月 12日 (月) 21時 11分
 薄曇りの4月の第1日曜日、満開に近いサクラがあちこちで見られました。冬に戻ったかのように花冷えのする1日でしたが、今月の月例講習会が見学の方も含めてのどかに行われました。賛助会員から門下生になり鷹匠を目指すことを決めてくれた方もいて、熱意をもって取り組んでくれる方の進歩には目覚ましいものがあるように思います。
 アオキの葉や新芽を食べにシカが里に下りてくるようです。赤い実はヒヨドリが食べに来ます。アオキは薄暗い林の中ならどこにでも見られるありふれた植物ですが、以前イギリスから来た方が葉にツヤがあって、とても美しい植物だと気にいっていました。美とは極めて個人的な感覚であり、相対的でもあります。彼の普段見る自然の中では、珍しいタイプの植物だったのかもしれません。
 私が初めてハヤブサを間近で見た時、完璧な美を体現した体型のように感じましたが、当然ながら最も美しいバランスに対する感覚も人それぞれでしょう。
アオキの実

逃げてゆく愛2010年 4月 12日 (月) 20時 56分
 先日、自信のなかったことを褒められ、一日中楽しい気分でいられました。我ながら単純に思いますが、幸せとはそういう些細な瞬間の積み重ねではないかとも思います。好きで始めたはずの研究に行き詰った時など、関係のない本や映画に逃避することがあります。しかし結果的にその研究の別の魅力を発見することもあるようです。
 B.シュリンク『逃げていく愛』は日本では長編『朗読者』に続く2冊目の単行本となる短編集です。タイトルは受動的な印象を与えるかもしれませんが、主体的な感覚に支えられています。一見関係ないように思える個人の感情や愛情が、その国の社会情勢と無縁ではないことを、時に重いテーマでも意外なほど爽やかに教えてくれます。またドイツ人であり男性目線の感性に終始しているにも関わらず、あれこれ迷う主人公の疑問の立て方は前作同様、非常に共感できました。訳者のおかげでもありますが、品のある簡潔な文章が気にいっています。
 亡き妻のかつて交際していた男に会いに行く「もうひとりの男」、今時の若者であるドイツ人青年と過去にこだわるユダヤ人女性との愛「割礼」など、愛のための行為が意図しない結果をもたらす話や、想いを伝えずに過ごした日々がもたらす「息子」「ガソリンスタンドの女」など、わずかなきっかけや行動によって人生が変わる過程が非常にリアルに感じられました。  
『逃げてゆく愛』 B・シュリンク (c)新潮文庫
 てのひらの中にずっと握って持ち歩いてきたと思っていたはずの愛が、ふと開いてみたら無かった…そのような、愛が持つ儚さ、危うさが淡々と表現されている良品です。

女性と鷹狩2010年 4月 03日 (土) 3時 30分
春の嵐にも負けず、サクラが一斉に咲き始めました。一方、ミツマタは素朴な花ですが、和紙の原料として里山で良く見かけます。見上げる空にも周辺にも、春は平等に訪れているようです。
 今年に入って女性からのお問合せが非常に多く、2名が入会してくれました。興味を持って頂けることをとても嬉しく思っています。女性の武道や運動競技への参加が近代化された国々を中心に増えてきたように、女性の社会進出は国家の経済的な発展のみならず、地域に根ざす慣習や古い体質を打開しようとする個々の努力でもあります。女性鷹匠は世界的にもそれほど多くはありません。鷹に対する忍耐力、普段の繊細な扱い方などの面ではむしろ適していると鷹師はおっしゃり、アブダビ・ファルコン・ホスピタルでは同様の言葉をドイツ人の女医から頂きました。が、まだまだ不利な点があるのも事実です。
 鷹匠を目指す場合、飼育環境、餌動物の確保、仕事と鷹の経済的なバランス、狩に出られる自然環境、家族の理解などが必要となります。これは男性も同様ですが、特に女性にとって困難な点は、現場に狩に出て経験知を増やすことのように思います。男性なら一人でも出かけられますが、女性にはあまりお勧めしません。
ミツマタの花
 特定の地域や時代の影響で、鷹狩は鷹と鷹匠の繋がりだけが重視される孤高のイメージがあるかもしれません。が、本来の鷹狩は、鷹匠、勢子、鷹犬などのチームワークが必要であり、里山を歩くためには配慮が求められます。鷹狩に限らず、猟というのはむしろ一人でする方が稀で、仮に一人で山に入るにしても、必ず里のバックアップがあるはずです。気の合う仲間を見つけ、一緒に野に出かける生活環境や人間関係を築くことは、鷹狩に限らず豊かな感受性を育てるきっかけとなり、結局のところ、性別以上に精神的な発達が大切なのかもしれません。

理想2010年 3月 28日 (日) 3時 25分
 祖母によれば、日本人が「理想的」と考える身長は昭和35年(1960)当時、男子は175cm、女子は約162cmだったそうです。平成13年(2001)の実際の平均が男子は約170cm、女子は約158cmであり、いまだ理想に届かないと思うと不思議な気がします。ちなみに私は昨年の身体測定で161cmありましたが、もう5cm位高ければと思うことがあります。理想というのは実際より少し高めに考えるものかもしれません。
 オーストラリアに帰国中の賛助会員で長年の友人から、まだ戻れそうにないという連絡がありました。彼女は20年以上日本に暮らし、世話好きで、今回は家族の問題を解決する手伝いのために帰国しました。日本にいれば故郷を想い、故郷にいれば日本を想うようです。長く異国に滞在することで、感情はより複雑になるのかもしれません。年配の方ですし、故郷で久しぶりに過ごす日々はきっと楽しいだろうと想像しながらも、長くその姿を見られないことを寂しく思います。
 誰にもそのような時期が幾度かあるのかもしれませんが、今回の帰国が彼女にとって残りの人生を幸せに過ごすための機会となり、その結論がいかなるものであれ、何か力になれればと願っています。
オーストラリア、ベランダから眺める夕陽

花に想う2010年 3月 23日 (火) 22時 48分
先月、デザイナーのアレキサンダー・マックイーンが自身の母の葬儀の前日に自殺したとの訃報を知り、40歳と若かっただけに驚きました。大切な人を失ったために後を追いたくなる気持ちはわからなくはありませんし、彼の作品を楽しみにしている見知らぬ人々が世界中にいても、心の支えにはならなかったのかもしれません。以前、彼がハヤブサを据えた写真を見たことがあったような気がして興味を持っていたので、残念に思いました。御冥福をお祈り致します。
 私が母を失ったらどうなるだろう、年をとり私を知る人が誰一人いなくなったらどうしよう、などと想像すると落ち込むこともあります。が、日々多くの植物や生物が生まれ死んでいくのを見、彼らが決して自ら死を選ばないことを考えると、与えられた限りの生は全うしなくてはならないのではないかと思います。
 季節がめぐり新しい芽吹きを見つけたと思っているうちに、いつのまにかはじけるような盛りを迎えている姿に驚くことがあります。毎日見ていると気がつかないその変化や美しさを目に焼き付けたいと思うだけでも、まだ生きていたいと感じます。もっと上達したい、もっと美しい世界を見てみたいなどの沢山の願いがある間は、生を諦めることはできないようです。
ヒカン(カンヒ)ザクラ

春分の日2010年 3月 23日 (火) 1時 29分
春分の日は昼と夜の時間が同じとなる日で、日本では祝日です。自然をたたえ生物をいつくしむ日と言われることから、仏教を基にした行事のように長い間思いこんでいましたが、イランでは新年であり、アフガニスタンやトルコでも同様に春分の日が祝日であることを知ってから、天体の動きと暦の関係に興味を持つようになりました。先日のすさまじい強風から一転して、肌寒さは残るものの、この連休はとても春らしい穏やかな毎日でした。
 ラジオでEtihad Airwaysの日本就航を記念するイベントが20〜22日の3日間、六本木ヒルズアリーナで開催されることを知り、買い物がてら立ち寄ってみました。ちらっと見ただけではコンセプトや他のアラブ地域、Airlineとの違いを伺うことは難しいように感じましたが、受付の方によればまだまだマーケンティングの段階ということでした。ちなみにFalcon Hospitalの絵葉書が他のエキゾチックなイメージのそれに比べてかなり余っていたので、多めにもらってあげました。多くの国に未だに伝え残されているにもかかわらず、鷹狩が世界的にマイナーな文化であることは現地の展示会でも時々感じることであり、理解してもらうことの難しさを常に考えさせられます。
 六本木は周辺に友人が住んでいたこともあり、何度か訪れたことがあるのですが、最近は都内に出る機会も少なくなったせいか、人込みですぐに疲れてしまいました。お目当ての店を探すのもめんどうになり、青山ブックセンターでB.シュリンクの単行本などを買って帰りました。
アリーナの様子

祭りのあと2010年 3月 10日 (水) 0時 15分
 冬季五輪が終わり、寂しくもありますが、すでに選手は次の目標を目指しているのではないかと思います。フィギュアでは、その競技を通して表現したい想いや美意識が、言葉にしなくても非常に強く伝わってきて感動しました。ジュディ・ガーランドの「ほかの誰かではなく、自分自身の最高をめざすべきだ」という言葉にあるように、結果は悲喜こもごもであっても、選手たちは皆、自身が求める高い目標や理想を超えるために努力されているのではないかと思います。
 閉会式では、パーキンソン病と闘うマイケル・J・フォックスの姿が久しぶりに見られ、感慨深いものがありました。以前よりは体調も良さそうで、復帰は難しくても改善に向けて非常に努力されているように感じられました。再び見られたことが嬉しく、頑張っている姿になんとなく励まされたような気になりました。
 良くも悪くも過去にとらわれて生きることは誰にもできませんから、気持を上手に切り替えて前向きに現在を生きることが大切ではないかと思います。映画や音楽はとても多くのことを教えてくれます。
夜の梅

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