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御鷹場通信は諏訪流放鷹術研究所 所長のブログです
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菜の花の季節2010年 3月 09日 (火) 22時 54分
汗ばむような陽気から一転して冷たい雨の日が続き、身体が重いような気がします。3月7日、千葉県野田市で開催されたフライト・フェスタを見学に行きました。今年はあいにくの雨風でしたが、多くの関係者や熱心な愛好者の姿が見られました。塒入の近い時期、新しく入った門下生にとっては様々な種類の猛禽類を観ることのできる貴重な機会となったように思います。また大橋鷹匠もオスのハヤブサを持参し、良い飛行を見せてくれました。
 千葉は春の訪れが関東では比較的早く、特に菜の花の咲き誇る広い野原はとても開放的です。千葉県の県花でもあり、3月7日の誕生花と紹介する本もある菜の花の花言葉は「快活・活発」で、春の活動的な気分を後押ししてくれるかのようです。
 冬に逆戻りしたかのような寒さの中、昼食をとるために訪れたレストランの近くの公園で、上空を旋回するオスのオオタカの姿が見られました。すでにヨーロッパからは繁殖が始まったとの便りもあります。季節は戻っているように見えて、確実に先に進んでいるようです。
出番を待つ大橋鷹匠

夕雲2010年 2月 25日 (木) 0時 28分
 雪雲が低くたれこめ夕刻から粉雪が舞い始めるような日が続くと、気圧の変化のためか頭が重たく圧迫感のようなものを感じます。心なしか身体もだるくなるようで、月の満ち引きのように地球上の生物はすべからく様々な影響を受けて生きていることを実感します。ようやく暖かくなってきて、カエルの卵が水場に沢山見られるようになりました。
 猟期が終わるまでの2週間、毎日可能な限り野に出ました。今年は鷹の状態も良く、一体感のある楽しい日々を過ごすことができました。キジを追って林に入ってみると捨てられた灯油缶の中からイタチが飛び出し、乾いた笹の葉をたっぷり敷き込んでいるのがわかったり、ヒノキの林では枝にからまりまっすぐに伸びた山藤の蔓を見つけたりしました。また鉾をつく姿や藪の中を走る姿など、鷹の豊かな表情や動きからも、教えてもらうことが多々ありました。
 納得のいく羽合ができたり、できなかったりという結果以上に、鷹を優先する暮らしに充実感を味わうことができ、お酒を控えてひたすら歩いたため体重と体脂肪率も少し下げることができました。
狩場の夕暮
 おかげで恐ろしいほど溜まってしまった所用のことを考えるだけで本当に頭が痛くなり、どこから手につけて良いのか呆然とするあまり、やる気が下がってしまいました。うんざりするような寒さも薄れてきたので、これから遅れを取り戻していく予定です。

雪の華2010年 2月 02日 (火) 1時 48分
 月初めの一日は氷雨が降り続き、夕闇が迫る頃には雪になりました。凍結すると私の軽自動車では危ないと思い、鷹の訓練もそこそこにコタツにもぐり込んでいたのですが、夜間にかなり積もった雪を見て、雪の華の写真を撮りたくなり外に出ました。
 マフラーを忘れたことに気がついて早めに切り上げる途中、ふと子供の頃に雪の中を同じように黙って出かけて母に叱られたことを思い出しました。雪国の生まれの母にとっては冗談ではなかったのでしょう。なぜ出かけたのかと聞かれ、ある本を読んであまりの不条理に腹が立って、とは幼かったためかうまく説明できず、結局黙っていました。
 先日、あることで「行動する前になぜ考えなかったのか」と聞かれ、自分が案外考える前に行動していることに気がつきました。余計な心配を沢山する割には、実際に行動する時にはその効果が伴っていないようです。考え過ぎると行動できなくなるような気もします。
サクラに積もる雪

冬期研修会2010年 1月 27日 (水) 1時 17分
 伝統という言葉は堅苦しく聞こえるかもしれません。しかし多くの国で今もなお鷹匠の技が口伝と体得によって継承されているように、最も基本的で普遍的なありかたが文化を支えていると言っていいでしょう。最近は時代に則した新たな放鷹文化が生まれつつあると感じられることもあり、これも様々な分野の方が関心を持ち、その技術を別の分野に生かしてくれるお陰ではないかと思っています。
 1月23日、八王子市の滝が原運動場において冬期研修会を実施しました。一般的な実演と異なり、この研修会は賛助会員や地元の支援者等、日頃お世話になっている皆様に感謝を込めてご交流の機会とさせて頂いております。本年は放鷹術の公開とともに、鷹匠認定試験も併せて実施いたしましたが、残念ながら来年に再度挑戦してもらうことになりました。受験者にとっては1週間前に鷹が突然体調を崩したことや自身の緊張感等、不本意な点もあるかと思いますが、落ち込むことなく日々の調整に努めてもらいたいと思います。
 当日はとても暖かく過ごしやすい一日で、新たな門下生が入会してくれるなどの良いこともありました。また差し入れを頂くなど、応援して下さる皆様には心より感謝申し上げます。
試験の様子

抱負2010年 1月 16日 (土) 23時 53分
 就職難の現在、学部生以上に就職への不安を持っているのが大学院生と言えるかもしれません。年明けから様々な不安を聞くと自分も不安になりますが、あまり先のことを考えても仕方ないと開き直って、前向きに今年も頑張りたいと思います。
 文化の保存に対し、どのような貢献ができるのかとよく考えますが、結局のところ自分が社会に対して何ができるのかということに辿りつくような気がします。そして自分ができること、できないことというのは、案外幼い頃からあまり変わっていないようです。進歩がないような気がする時もありますが、人間的には成長していると思いたいところです。少なくとも、鷹は私に生きる強さを与えてくれています。
 伝統を継承する者があり、鷹匠の技を生かして他の分野に活かす者あり、そして純粋に鷹狩を楽しむ者がいる…楽天的かもしれませんが、様々な分野の人々が文化の多様性を認め合い、共感できれば、いずれは大きな力になるのではないかと信じています。
ソシンロウバイ

ふるさと一番2010年 1月 15日 (金) 18時 57分
 1月7日、江戸・東京の文化としてNHKの「ふるさと一番」という番組に取り上げて頂きました。これは江戸時代から現代の東京まで残されている都内唯一の御鷹場である都立浜離宮恩賜庭園と、そこに息づく江戸文化として鷹匠の技を紹介して頂いたもので、23分間ノンストップの生中継が人気のお昼の番組です。
 当日は早朝から伝統的な鷹狩の種類であるオオタカ、ハヤブサの飛行方法、そして一部ながら鷹匠の技の紹介等、分刻みで入念な打ち合わせを行いました。全国放送、生中継という失敗の許されないプレッシャーの中、多くの門下生たちが自然体に留意して臨んでくれたお陰で、全てを滞りなく実施することができました。
 ハヤブサの急降下では時間内に降りられるかどうかハラハラしましたが、30秒前に飛び込みセーフというような形で無事に終了することができました。生中継のドキドキ感が出て面白かったという声や、なかなか東京に来られない地方の知人や親、親戚等から楽しかったとの声を頂きました。
終了後の記念写真
 澗随操司アナウンサーは大変聞き上手な方で、臨場感あふれる抜群の実況をしてくれました。また旅人の岩本勉さんもとても話し上手で、日本ハムでの現役の投手時代、テレビで拝見していたこともあり、野球好きでもある私としてはお会いできたことを非常に光栄に思いました。

年頭の御挨拶22010年 1月 14日 (木) 22時 04分
 本年も様々な方にお越し頂きましたが、なかでも鷹場に由来する地名に住んでいたという方、江戸時代の由緒正しい家柄の方々、郷土歴史研究家、写真愛好家の方々を始めとして、文化や歴史を愛好する皆様の社交場となりつつあることを実感致しました。
 鷹狩は狩猟文化でありながら、獲物を獲ることだけが目的ではありません。むしろ鷹匠にとっては鷹を慈しむことの方が大事なことで、調教のみならず体調管理の難しさもあって、日々気を配る必要があります。かといってペットとしてただ側においておくだけでは鷹も喜びませんし、鷹の欲求を満たしていると感じることはできません。
 鷹匠と鷹犬とは上下関係がありますが、常に一緒にいて近しい距離を保つことができ、深い絆を感じることができます。一方、鷹と鷹匠は一定の距離を保つことが求められます。それでいながら共通の目的を介して心を通わせることができるため、互いの誇りや生き方を尊重し、理解しあえる存在であり続けられるのではないかと思います。有史以来、現代まで伝承されてきた奇跡や、いかに鷹匠が愛情を持って工夫や配慮をこらしてきたか思いをはせると、不思議な気分になります。
振替をする鷹師と鈴木鷹匠補
 まだまだ心身ともに高めなければいけない点が沢山あり、辛いことも多いですが、千年先にも残る文化でありますよう、これからも日本ならびに世界の放鷹文化を伝承・保存する活動に携わっていきたいと思っていますので、ご理解のほど宜しくお願い致します。
 今回の放鷹実演に際し、主催の財団法人東京都公園協会、共催のNPO法人東京臨海地域開発研究会、その他関係者の皆様、ならびに御観覧くださいました全ての皆様に厚く御礼申し上げます。

年頭の御挨拶12010年 1月 14日 (木) 21時 56分
 新しい年を迎え、皆様におかれましてもご健勝のことと存じます。更新が滞ることもありますが、本年もご理解・ご支援のほど、宜しくお願い申し上げます。
 1月2日と3日の2日間、都立浜離宮恩賜庭園において、恒例となりました新春の放鷹実演が開催されました。昨年4月のオリンピック招致活動を含めると今年で19回を数えることになりましたのも、ひとえに御観覧に足を運んで下さる皆様のお陰です。
 都心は天候に恵まれ、例年より暖かく穏やかな新年となりました。が、1月2日の午前中の実演では、他に実演予定だった武道の演目に関連した準備作業に鷹が驚いて落ち着かなくなる、また一昨年から安定した飛行を見せてくれた私のハヤブサが、野生のハヤブサに追いかけられるといったハプニングもありました。2000年から数えて11年目になるハヤブサの急降下で野生のハヤブサにからまれたのは初めてで、近くに棲みついているつがいのメスかと思われ、良いこととは思う一方で、今後の実演を考えるとビル群の林立が起こす複雑なビル風に加えて、新たな心配の種と言わざるを得ません。
実演用の矢倉
 ハヤブサは爪を合わせたようで尾羽が一枚傷み、指に若干の擦り傷がありましたが、幸い大事に至らなかったようでした。が、精神的にショックを受けたようでかなり神経質になってしまいました。不安を感じたものの控えがなく、中止にできなかったこともあり、あと1回だけ頑張って欲しいと3日に再び飛んでもらいましたが、予想通り、良い結果にはなりませんでした。ベストの体調でなかったことを考えると、判断の甘さや油断があったことに多々反省するばかりです。

出陣式2010年 1月 11日 (月) 22時 04分
年末の活動になりますが、12月15日、埼玉県本庄市にあります本庄警察で年末特別警戒の出陣式に協力致しましたので、御報告いたします。 これは「地域全体が鷹の目で防犯に取り組もう」という合言葉の下、地域の防犯意識を啓発するための催しで、大橋鷹匠、根津鷹匠、櫛田門下生らが参加し、オオタカ、ベンガルワシミミズクによる実演の後、モモアカノスリが開会宣言書を所長に運ぶというセレモニーによって終了しました。
 当日は地元の県会議員、本庄市長、上里町長を始め多くの関係者の皆様が参加されました。また、本庄警察署長からは犯罪抑止の意識高揚に貢献したということで、当保存会へ感謝状を頂きました。
 このような地域に根づいた活動に御協力する機会を与えて頂き、関係者の皆様には誠に感謝申し上げます。
セレモニーの様子

富士山2009年 12月 27日 (日) 13時 23分
 風が強かった日の翌朝などは、関東でも各地で富士山を見ることができます。富士山が見えると良い日のような気がするのは、普段見えなくなったからなのかもしれません。遠くから眺める姿の方が美しく感じますが、近づいた時にどんなに観光客の波で混雑し、売店やトイレや林立する看板などで汚れて見えたとしても、山岳信仰を彷彿させる風情がありますし、そのような気高さは失われて欲しくないと思います。
 20代の頃、夏に登ったことがあります。頂上で見る御来光をゆっくり眺めるというよりも、寒さのためダウンを着こんであまり動けないでいたことが思い出されます。雲の上から見る朝日はとても美しく、冷たく薄い空気がとても清々しく感じました。
 古くは曽我兄弟の仇打ちでも知られるように、富士山の裾野は狩場でもありました。戦前までは皇室のウサギ猟も行われており、鷹狩文化にとっても縁のある場所なのですが、現在は自衛隊の演習場などになってしまい、往時を偲ぶことさえできないのが残念です。
初雪の頃

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