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御鷹場通信は諏訪流放鷹術研究所 所長のブログです
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小手指ヶ原古戦場2009年 3月 02日 (月) 22時 34分
 雪や雨、強風など不安定な天候が続いています。鷹も私も始終人前に出るとストレスがたまるので、少し休ませて久しぶりに1人で史跡めぐりに出かけました。
 埼玉県所沢市にある小手指ヶ原は鷹狩と直接の関わりはありませんが、諏訪大祝一族と鎌倉幕府にとって歴史的な関連のある場所です。元弘3(1333)年5月11日、鎌倉を目指す新田義貞と、これを迎え撃つ北条方の大将、桜田貞国が合戦を繰り広げた場所として記録されています。両軍はこの日、勝敗を決せず分倍河原、藤沢と転戦し、新田軍はついに22日に鎌倉幕府を攻め落としたとされています。新田義貞は楠正成と並んで『太平記』では魅力ある武将であり、優れた戦い方や悲劇的な最期で知られています。
 一方、北条方についていた諏訪氏一族はほとんどが殉死し、わずかに諏訪三郎盛高が北条時行とともに諏訪に逃れ、八ヶ岳山麓の神野付近などに隠棲したとされています。北条時行は上社前大祝諏訪頼重や諏訪氏系の祢津・滋野氏らと鎌倉を目指して兵を挙げ、女影原、小手指ヶ原、府中と交戦し一度は勝利しますが、足利尊氏らに敗れ、諏訪頼重は自刃、北条時行は伊豆に逃れました。諏訪頼重の子頼継は諏訪に帰還し、上社前宮の神殿南には頼重の墓標と考えられる五輪塔二基が発掘されています。
石碑から白旗塚を望む


井戸水2009年 2月 18日 (水) 20時 28分
 三寒四温の毎日が続いておりますが、今年は花粉の飛散が早めに見られるようで、花粉症の門下生からはすでに薬の服用を始めたという声が聞かれます。
卵の上に出てきたオス
パートナー2009年 2月 16日 (月) 21時 25分
 運転中に後ろから近づいてきたパトカーに止まるよう声をかけられ、何事かと思って緊張したら「あ、女の人でしたか」の一言で放免されました。男に間違えられるのは子供の頃から一度や二度ではないとはいえ、久しぶりだったのでおかしくなりました。適当な格好はいけないと思うのですが、鷹はあまり印象が変わると落ち着かないため、訓練から猟期中にかけてほぼ毎日同じコートを羽織、汚れても良い服装を選んでしまいます。
 昨日で猟期が終了し、まだまだ行事は残っているものの気持ち的には一段落ついたといったところです。秋口には肉色を上げる、寄せ方に注意するなど、毎年様々な課題をもって調整に取り組んでいるのですが、猟期の終わる頃には課題とは異なる新たな感覚が得られたりするもので、鷹に接するということは鷹から教えてもらうことであるという基本に立ち返ることになります。
 鷹の良い部分(能力)を引き出そうとするのが猟期であるため、時には羽根が傷んだり事故が起きたりということもあります。鷹をただ綺麗に飼っておくだけというわけはいきませんが、それによって鷹も鷹匠も進歩することができ、互いにとってもっとも頼りになるパートナーとして信頼関係を築くことができるようになります。いずれにしても自分の進化を体感できた時には嬉しくなります。来季に向けて新たな目標を立てて頑張りたいと思います。
ゴイサギを捕える

春の訪れ2009年 2月 10日 (火) 0時 17分
 毎月行われる講習会では同じことも指導していただきますが、誤って覚えていた点に気がつくこともあります。基本からさらに踏み込んだ質問ができるようになるには経験が必要で、時にはせっかく掲載していたただいた記事の中にも誤った説明が載ることがあり、言葉で伝えることの難しさを実感します。
 かねがねWFCの藤田氏から誘いを受けていたので、先日茨城に鷹狩にでかけました。豊かで広大な平地ではキジやコジュケイに沢山出会う機会があり、水場も多く、特にハヤブサを利用した上げ鷹猟に非常に適した狩場があることを羨ましく思いました。私のハヤブサはカルガモに急降下した後、再度コガモを追いかけるなどまずまずの追跡を見せてくれ、オオタカは若干いつもと異なる狩の方法に神経質になった部分もありましたが、獲物に対する集中力は途切れることなく、あと一歩というところまで良く追ってくれました。タカやハヤブサが獲物を蹴ったり、捕え切れずに毛だけが残されていることを“毛花散る”などと表現されます。くやしさはありましたが楽しい一日を過ごすことができました。
 ビズラとともに勢子をかってでてくれた藤田氏、ならびに笹川氏、藤井氏、田村氏やその他同クラブ会員の皆様にはお土産までいただき、多大なご配慮に御礼申し上げます。
ソシンロウバイ

鷹狩の風景2009年 2月 10日 (火) 0時 09分
先日、イギリスのカメラマンから日本の伝統的な鷹狩の風景の中で、鷹匠装束を着た姿を記録に収めたいという希望を受け、撮影に応じる機会がありました。その話を聞いた産経新聞の記者の方が興味を持ち、取材に訪れてくださったおかげで、産経新聞とSANKEI EXPRESSに掲載して頂きました。関係者の皆様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。
 「鷹狩の風景」というと、深い山の中だと思われることが良くあります。おそらく東北のマタギやクマタカを使用した鷹使いのイメージが強いのでしょう。しかし実際の鷹狩は開けた里山の中で行われます。農家の人々が作る米や野菜などの農作物を求めて昆虫や小鳥が集まり、また田畑に流れる水路の小魚を求めてシラサギなどが集まります。獲物となる動物の多くが人間のそばで生息しているため、オオタカやハヤブサのみならず、ノスリやチュウヒなど野生の猛禽の多くが開けた田園地帯で狩を行っています。イヌワシなどの比較的山奥に棲む猛禽であっても、開けた狩場がないと獲物を追跡しづらいようです。
 山の多い地域で暮らした人から山がないと落ち着かないと聞いたことがありますが、私は山のほとんどない地域で過ごしたので、高い山脈の連なりには圧迫感を感じます。建て込んだ住宅街や高いビルが並ぶ景色にも似たような雰囲気がありますので、生まれ育った環境は感覚に強い影響を与えるのでしょう。鷹狩の風景は日本人にとって懐かしい田園風景であると思ってきましたが、そう感じられる人も減っているのかもしれません。
里山の一風景

残雪2009年 1月 28日 (水) 12時 26分
 24日から25日未明まで降り続いた積雪のため、25日の朝は一面の雪景色が広がっていました。25日は実猟会のため野田に出かけたのですが、昼頃には汗ばむほどの暖かい陽気になりました。残念ながらあまり良い出会いはなかったものの、予想もしないようなキジバトの動きに驚かされるなど、楽しい一日になりました。
 里山ならではの開放感は、実演の緊張感とは一転してとても気持ちの良いものですが、なかなか一日歩けるような場所を見つけるのは容易ではありません。休日は多くの人が散策をしているのに出会うことを考えると、動物だけでなく人間もそのような空間を求めているのではないかと感じられました。開発されることなく、手入れの生き届いた里山がいつまでも身近にあって欲しいと思います。
 残雪は帰る頃にはほとんど消えていました。山はまだ白いですが、春がすぐそばまで来ている感じがします。
ヤブツバキに積る雪


一般公開2009年 1月 28日 (水) 12時 20分
 1月24日、八王子滝が原運動公園において、諏訪流放鷹術の一般公開を行いました。寒さが厳しく、午前中から雪の降りしきる中、俳句会や天合峰を守る会などの地元の皆様が足を運んでくれました。オオタカは風の影響を受けて拳に止まりにくそうにしていましたが、ハヤブサは問題なく、とても良い経験になりました。
待機中の鈴木鷹匠補
今井先生を訪ねて2009年 1月 21日 (水) 22時 03分
 年末・年始と当保存会の活動を新聞・TVなどに取り上げていただく機会や取材のお問合わせ等を頂き、感謝とともに、身の引き締まる思いで取り組んでいます。
 当保存会の顧問を務めてくださっている今井珠泉先生の日本画展が20日から日本橋三越で開催されましたので、昨日早速拝観に伺いました。「大自然にはばだく」と題された今回の展覧会は、大観賞を受賞された『飛翔』から近作の『狭霧』までの数々の大作が並べられ非常に壮観な景色でした。また院展などではお目にかかることのできない小品も見ることができ、大変貴重な機会となりました。
 今井先生は羅臼の吹雪の中に一人で写生に出かけるなど、厳しい自然の中で生きる鷹や鷲の毅然とした姿に己を映すかのようにかくしゃくとした方で、その道一筋に生きることの意味や絵に対する熱意などを私たちに熱く語ってくださいました。その生き方は鷹匠の生き方にも通じるものがあり、他の分野にも当てはまるように思いました。
『飛翔』の前で
 一つの道を目指し、悩みや葛藤を経て頂点に到達した方は、皆同じような地平にたどり着かれるような気がします。色々迷うこともありますが、欲をかかずにただこの道を歩き、いつかたどり着く自分なりの世界を見てみたいと思いました。

直木賞受賞のお知らせ2009年 1月 20日 (火) 0時 04分
 このたび当保存会賛助会員で作家の山本兼一さんの著作『利休にたずねよ』が、第140回直木賞を受賞致しました。大変喜ばしいニュースなので、ここにご報告させて頂きます。
 山本さんは鷹匠小林家鷹の生き様を描かれた『白鷹伝』からの縁で鷹師とは懇意にされており、当保存会の文化活動にもご理解・ご支援を頂いております。徹底した調査に基づいた緻密な人物描写からは、まるで今にもそこに登場人物がいるかのような躍動感が息づいており、また厳しい人生の底にある深い愛情や哀しみなどから山本さんの懐の深いお人柄が感じられ、楽しく拝読させて頂いております。
 受賞を足がかりに、今後益々のご発展を祈念致します。
美しい表紙絵も魅力のひとつ

年頭のご挨拶2009年 1月 10日 (土) 23時 07分
 東京都立浜離宮恩賜庭園において、新春恒例の「諏訪流放鷹術」実演を終えました。ご観覧にお越しくださいました皆様に厚く御礼申し上げます。
 本年は比較的暖かく穏やかな天候に恵まれ、お陰様で1日に5000人強という昨年以上のお客様にお越しいただきました。2日に森谷鷹匠、3日に私がハヤブサの急降下を担当し、森谷鷹匠のオスは旋回して見事な急降下を披露してくれました。私のメスもカラスを追いかけて少し寄り道しましたが、特に滞りなく、成功裏に終えることができました。また神門下生がチョウゲンボウの渡りを、櫛田門下生が初めて調教したオオタカの振替に挑戦するなど、実演を通して門下生全体が協力し合い、一体感が生まれるのを感じられました。
 放鷹文化を理解していただくための活動の一環であるこの実演も、浜離宮においては今年で17年目を迎えました。様々な御意見があるかと思いますが、鷹狩とは、鷹とはどういうものかを知っていただくだけでなく、あらゆる生物や植物の命をもらうことによって生きる人間が“生を全うする”ということの重さを考える機会でもあります。諏訪流鷹匠にとってそれは「諏訪の勘文」によって理解されているところです。
鈴木鷹匠補の振替
 例年お越しくださる顔なじみの方々との交流も楽しく、初めてのお客様や招待客の皆様から励ましを沢山いただきましたことをここに感謝いたします。

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