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御鷹場通信は諏訪流放鷹術研究所 所長のブログです
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季刊『アラブ』2012年 7月 22日 (日) 0時 49分
 先日、所用の帰りにふと思い立って故花見先生のお墓参りに伺いました。菩提寺を守っている犬も代が変わったようで、生前の先生のことを覚えている方も減っていくのだろうなぁと時の移ろいを感じました。が、蒸し暑い空気と青い空は往事を思い出させてくれ、墓前に手を合わせると涼やかな気持ちになりました。命日に限らず、墓参は自分と向き合う機会であり、心が和むような気がします。
 季刊『アラブ』夏号にインタビュー記事が掲載されました。アラブと呼ばれる地域と日本とは地理的には距離を感じますが、鷹狩という共通の文化を通して見れば、違いや共通点も理解しやすく、世界は意識する以上に繋がっているということを感じます。日本のメディアでは政治情勢ばかりが伝えられがちな同地域に関して、文化交流の魅力をわずかでもお伝えする機会を頂けましたことを、日本アラブ協会ならびに関係者の皆様に心より感謝いたします。
 故人の自由な魂が空を翔ることができるのなら、先生もきっとどこかで見守ってくださっているのではないかと思います。まだまだ褒めて頂けるような鷹匠には程遠いですが、文化的な発展はきっと喜んでくださるのではないかと思います。
季刊『アラブ』夏号 (c)日本アラブ協会

大賀ハス2012年 7月 16日 (月) 23時 57分
 梅雨時は身体が重いように感じられて憂鬱ですが、雨の合間をぬって外に出ると、ぬるい風が夏を呼びよせてくるようで快適です。梅雨明けが近づき、本格的な暑さに身体も慣れて元気が出てきました。
 先々週、知人に誘われて、大賀ハスを見に千葉公園に行きました。千葉市の出身ながら一度も見たことがなかったので、初めて眺める花の大きさと可憐さに感動しました。大賀ハスは千葉市内の花見川下流から発掘された2000年以上前の古代のハスの実を、大賀一郎博士が発芽に成功したという由来で知られています。1993年には千葉市の花に指定され、現在はそのハスから分根された子孫がハス池一面に広がっています。
 汚い泥に穢されることなく美しい花を咲かせるハスは、仏教では慈悲の象徴でもあり、花言葉では休養などを意味します。良いタイミングで開花を見られたことも縁があってのことなのかなあ、と思いながら園内をゆっくり散策しました。
大賀ハス

金環日食2012年 6月 03日 (日) 23時 28分
 急な雷雨の日もありますが、徐々に蒸し暑くなってきました。夏を告げるようなホトトギスの声が早朝に聞こえるこの季節は、最も楽しみな時期でもあります。
 先月5月21日の朝7時半頃、偶然にも金環日食を肉眼で見ることができました。そのための専用の眼鏡も無く、前日からくもりがちの予報になかば諦めていたのですが、数分間だけ太陽は雲の隙間から姿を現してくれました。いつか完全な新月を肉眼で見てみたいと思っていましたので、太陽の前を横切る新月を見ることができ、夢のひとつが叶ったという思いで感動しました。
 そして無心に眺めているうちに、ふと目標を立てた時、いつもならそれを叶える以上に過程を楽しんできた私が、最近は結果ばかり気にして余裕がなくなっていたような気がしました。
普通のカメラで撮影した太陽と月

来週の空2012年 5月 19日 (土) 17時 38分
 山辺に咲くナシの花は見頃を過ぎて、フジの淡い紫が美しい季節になりました。金環食が近づきつつありますので、良い天気を願っています。
 矛盾する言葉を聞くと、複雑な気分になることが多々あります。微笑むとヘラヘラするなと注意され、真面目に話すと怒っているのかと問われたり、また気楽な文章を意識しようと苦心すると真摯でないと叱責され、真剣に書こうとすると真面目すぎて疲れると言われたりします。
 良かれと思ってしたことが悪い結果をもたらし、また自身の満足する結果が他者の評価と異なることも良くあるのではないかと思います。いくら期待に応えたいと思っても、全ての他者が求める生き方に殉じることは不可能でもあります。研究の求めるべき成果は善悪の彼岸を越えたところにある、とかつてある教授に言われましたが、人生もまた客観的な善悪や禍福では表すことのできないものなのかもしれません。
イシナシの花

中原街道時代まつり20122012年 5月 16日 (水) 10時 05分
 先週の日曜日、第12回「中原街道時代まつり」が開催され、それに関連して実演を行いました。主催の中原街道時代まつり実行委員会、共催のNPO法人日本伝統文化福祉振興協会、そして川崎区長をはじめとして開催に尽力されました関係者の皆様に心より感謝申し上げます。またご観覧に足を運んでくださった皆様にはご期待に添えるような披露ができなかったことを深くお詫び致します。
 本年は年始以降、予期せぬ不幸な事故が重なり、仕上がっていた鷹が使えなくなってしまい、急遽4月に届いた昨年生まれの若鷹を1ヶ月という短期間で調教しなくてはなりませんでした。年明けの鷹を山帰りと言いますが、繁殖された個体であっても非常に頑固で通常より時間がかかります。結果的に調教途中での参加となってしまったことが残念でならず、また指示された場面で役目を果たせないことほど鷹匠として悔しいものはありませんでした。
 不安な気持を抱えての参加となり、客観的に見れば良くない結果に終わってしまったかもしれませんが、門下生たちは担当する仕事を果たそうと皆努力してくれ、予想以上に早く問題に対処したチームワークと熱意に感動しました。いまだかつて記憶にないような最悪の一日ながら、まさに失敗から得ることの多い一日でもありました。
本年度ちらし
 実演の最中、私の鷹の頑固さの基になっているものがおぼろげに見え、帰宅後の態度を見て確信できたような気がしました。あの時、この演目ならできたと思う気持は予測でしかありませんが、きっと来季はその鷹らしさを見せてくれるのではないかと思います。
 鷹の態度によって気分が沈んだり、高揚したりするのが鷹匠という生物ですが、自分でも意外なほど前向きな気分で今季を終えることができてホッとしています。

桜雨2012年 4月 24日 (火) 23時 42分
 満開の桜は先週から降り続く雨にだいぶ散らされてしまいました。春は始まったばかりなのに、すでに初春の終わりを告げているかのようです。先週は突然の訪問客や予想もしない誤解などが続いて、まるで同じ話をしていたつもりがまったく違う話をしていたことに後で気づいたかのような不思議な気分になりました。
 先日、知人から戦前に活躍したある女性の評伝を頂きました。評伝は私も好きでかつてイサム・ノグチの評伝から、同氏の母がイサム以上に迫害され、誰にも頼ることなく苦労されて亡くなったことを知りました。評伝はノンフィクションではありませんので、真実の一部あるいは人間の一面を捉えたと考えるのが妥当かもしれませんが、生前不当な扱いを受けた人の名誉を回復する意味では有効に思います。
 その女性は50代になっても求婚されたというほど非常に魅力的で活発な女性のようでしたが、なぜ不仕合せと言われたか、わかるような気がしました。ウーマンリブ、男女同権、最近ではジェンダー等に関して闘う女性は、時に概念そのものに固執してしまうのではないかと感じられることがあります。その一方で家族のしきたりにこだわるなど、人は概念だけでは解決できないような矛盾をはらんで生きています。答えの出ない理想を求めて生きた女性が光だとするなら、その陰で姉妹や家族を支えながらその想いを歌に託した妹もまた知的な女性に感じられました。言葉は記録されないことも多いですが、思いをその場で言葉にできる人の方が、書く人よりも仕合せなのかもしれません。
満開の桜

食痕2012年 4月 11日 (水) 0時 57分
 駅前の街路樹の下に、ハトの胸骨が落ちていました。おそらくはオオタカやハイタカなどの猛禽かカラスが運んできた食痕かと思われます。それにしてもきれいに食べるものだなあと感心しました。最近は街中で猛禽を見かけることが珍しくなくなりましたが、それだけ街路樹が街に定着し、野鳥が移動してきたことも一因ではないかと思います。
 繁殖期を迎え、猛禽に限らず繁殖や子育てに慌しくしている雰囲気がそこかしこに満ちています。鳥たちは普段より人間に対しても、もちろん猛禽同士でも非常に攻撃的になるため、鷹を普段の場所で体調を維持するためにちょっと飛ばそうとしても、カラスや他の猛禽に邪魔されてしまうことが多々あります。外の世界を知らない若い鷹は、脅かされて緊張してしまうこともありますが、だんだん世界が見えてくると動じなくなってきます。頼もしくなっていく鷹を見ると、何事も経験なんだなあと思います。
 月の満ち欠けや潮の満ち引き、季節の移り変わりが生物に影響を与えるように、人間の行動も考えている以上に情緒に左右されているのではないかと思うことがあります。春は詩人ではなくても感傷的になることがあるように、里に花見客が溢れるのは本能的に花を求めて旅をしたくなる季節なのかもしれません。
ハトの骨

お守り2012年 3月 28日 (水) 1時 35分
先週、女性の多彩な生き方を紹介したいということで、赤旗に取り上げて頂きました。関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
 御嶽山を参拝した時、交通安全のステッカーを購入しました。あまり普段お守りは買わないのですが、なんとなく車には験を担ぎたいような気がしています。
 昨年末、豊橋にでかけた際に、高速のSAで車が原因不明の故障で止まり、そのまま廃車となってしまいました。門下生の協力を頼んでホテルに辿りついた時にはすでに夜半を回っており、鷹を据えたり打合せをしたりしているうちに、ほとんど寝ないで翌日の実演を迎えたことも記憶に新しいところです。
山犬の狛犬
 その車は走行距離も7万km 以下でしたし、前日に検査し、部品交換等もして臨んだのでショックでした。居眠りしかけた時や路面凍結によるスリップでも助けてくれましたし、最後のドライブでも私が駐車場に入って停車位置に止まろうとしたところで静かにため息を吐くかのようにエンジンが切れて終わりました。車かお守りのおかげかはわかりませんが、いずれにしても安全に長年つきあってくれたことに感謝しています。

懇親会2012年 3月 27日 (火) 0時 43分
 星の話をしたら、思いのほか多くの方が詳しい情報をくださり、空に関心を持っている方の多さを知りました。浅薄な知識を恥じずに質問してみると、たいていの方は親切に教えてくださるもので、まさに「聞くは一時の恥」と感じます。
 先週、親睦会を兼ねて御嶽山に登りました。久しぶりの登山に翌日ふくらはぎが痛くなりましたが、宝物殿では宮司様から詳しい説明を聞かせて頂くことができました。御嶽山は狼(山犬)伝承で知られるばかりでなく、国宝の鎧や重要文化財の刀など、鎌倉時代から江戸時代にかけての貴重な史料が保存されており、また御師(おし)の村落が現在も受け継がれている点でも非常に重要な神域となっています。
 下山した後、門下生の発案で鷹師の誕生会を行いました。生まれて初めてのサプライズパーティに驚かれていましたが、皆で用意したプレゼントやケーキ、ワインでお祝いされたことを喜んでくれました。その後は各自の持ちよりのフランス産のウサギのパテや手作りのサラダ、九州のお祝い事には欠かせないという鶏の唐揚げなどを食べながら懇親会を行いました。
御嶽山からの都心の風景

『東京人』インタビュー2012年 3月 17日 (土) 23時 46分
 震災から1年が過ぎました。多少の余震は続いており、不安な要素はいまだ多く残されていますが、今を平穏に過ごせていることを嬉しく思います。
 数日前から、夕暮れの空で木星と金星が記憶にないほど接近しており、ひときわ輝くその姿になんとなく胸がざわつきました。何事もありませんでしたが、昔の人々はきっとそのような天体の動きにもっと敏感に反応したのではないかと思います。
 朝日新聞で拙著の書評を書いてくださった楊逸さんがエッセイを『東京人』4月号に寄稿されました。それに関連したインタビューのため、お会いする機会がありました。取材に関しまして、御世話になりました全ての関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
『東京人』4月号 (c)都市出版株式会社
 楊さんは洗練された雰囲気と生命力に溢れたとても魅力的な女性で、知的な質問に非常に刺激を受け、また沢山の元気を頂きました。誰かが私について書いてくださる時、そんなことを言ったかなあと思うこともありますが、とても興味深く拝読させて頂いています。人物評でありながら、その方の持っている人間性とどこか共鳴できる部分が私の中に現れているのではないかと感じられるからです。描かれる私の強さは楊さん自身の強さではないかと感じつつ、いつかまた描いて頂けるような日が来るよう、これからも頑張りたいと思いました。

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