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御鷹場通信は諏訪流放鷹術研究所 所長のブログです
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『東京人』2012年 1月 05日 (木) 22時 56分
 御報告が遅くなりましたが、先月発刊された『東京人』1月号にエッセイが掲載されました。
「都会を舞うハヤブサ」は、私自身のハヤブサに対する想い、そして江戸東京を生活基盤として共に生きる鷹匠のジレンマのようなものを表現したものです。
 猛禽にとって、都会の生活は生きづらいものであるはずですが、里山同様に人間の生活に密接に関わることによって順応している獲物たちを追い、都会で力強く生きる猛禽たちもいます。都内の公園と公園の間を往来しながら生きる彼らにとって、無関心な人間たちはさして脅威ではないのかもしれません。
『東京人』1月号 (c)都市出版株式会社
 1月号の特集が「軍都東京の昭和」であるように、平成を20年以上過ぎた現在、昭和は歴史として語ることのできるほど過去のものとなったのでしょう。歴史の是非や事実と称されるものの多くは、戦後の時代背景や歴史家によって、まったく異なるように描かれてきたことは御承知の通りです。
 どのように自身が生きてきた時代を解釈し、何を伝承するべきなのか。無自覚で過ごしていてはあっという間に通り過ぎてしまうような短い人生を生きる私たちであっても、大切なことを次世代の人々に伝えようと思えば、あらためて考える必要があるように思います。

年頭の御挨拶20122012年 1月 01日 (日) 16時 55分
 新しい年を迎え、皆様におかれましては御健勝のことと存じます。本年も御理解・御支援のほど、宜しくお願い申し上げます。
 昨年を振り返ると、未曾有の災害によって多くの事業が中止を余儀なくされ、また門下生の独立などもあり、活動を継続することさえ困難な状況に悲観的な気分になりました。
 が、幸いなことに新たな門下生が入門してくれ、また昨年末には国内の文化活動にも復興の兆しが見られるようになりました。
ハヤブサ 5号
 昨年12月にアブダビで開催されました「第3回鷹狩の祭典」にも参加致しましたので、これについてはあらためて御報告させて頂きます。

『三河・鷹丘〜鷹狩のふるさと』2012年 1月 01日 (日) 16時 48分
 遅くなりましたが、昨年12月3日、「放鷹文化講演会」が愛知県豊橋市において開催され、当保存会はこれに協力致しましたので御報告致します。
 当日は小鷹野とゆかりの深い鷹丘小学校の校庭で実施される予定でしたが、強い雨風のため急遽体育館に変更して行いました。内容については変更することなく、実演は予定通りすべて終えることができました。 初めて挑戦する門下生もいましたが、一人一人が精進を重ねて日頃の成果を披露しようと努力してくれたことに感謝するとともに、ご観覧くださいました全ての皆様に深く感謝申し上げます。
 鷹狩文化を調査することによって地域の歴史を紐解くこのような催しは、年々全国的な広がりを見せており、鷹匠として鷹狩を伝えるという役割の一端を担わせて頂けることを光栄に思います。
質問に応じる荻島鷹匠補

春夏秋冬2011年 11月 30日 (水) 0時 48分
 前回紹介しました朝日新聞の日付について誤りがありました。正しくは11月20日付でした。ここに訂正させて頂きます。
 私は曖昧な表現を察するのが苦手で、随分たってからその意図に気がつきます。時には1年以上後に、ふと「そういう意味だったんだ」と思い浮かび、かといってそれを言う機会はすでになく、悶々とする日々を過ごすことになってしまいます。
 久しぶりに大学に顔を出した帰り道、駅のホームで学部生の時にお世話になった先生にばったりお会いしました。15年以上経ているのに顔と名前を覚えていてくださり、「元気そうだな」の言葉とともに微笑みながら通り過ぎて行かれました。「先生もお元気そうでなによりです」と言えないほどの変貌に言葉を失った私は、ただの挨拶もろくに返せず、無礼をしてしまいました。恰幅の良かったお姿は別人のように痩せ、杖をつかれていた先生は、きっと私の考えていることを察せられたのだろうと思われました。
多摩川沿いのモミジ
 何かを言っても言わなくても人を傷つけ、そのことで後悔するのなら、言わない方がマシなのかもしれません。が、たとえ誤解されたとしても、誠意を持って伝えたいと思った言葉ならば、心はわずかでも伝わるのではないかと思います。伝えられなかった想いは失敗した時の後悔に似て、いつまでも胸の片隅で漂っています。

種々御礼2011年 11月 28日 (月) 23時 36分
 今月(12月)号の『山と渓谷』に書評が掲載されましたので、御紹介させて頂きます。また11月27日付の朝日新聞にも取り上げて頂き、誠に光栄に拝読させて頂きました。関係者の皆様に感謝申し上げます。
 思いのほか様々な方面の方々からご好評を頂いていることに感激致しますとともに、著名な方が読んでくださる姿を想像するだけで、非常に光栄に思います。故花見先生が御存命だったらなんとおっしゃるだろうか、などと思うこともありますが、きっといつものように鷹揚な口調で「まぁあんたも頑張んなさいよ」とおっしゃるのではないかと思います。師匠はただ「さらに精進するよう頑張りなさい」とおっしゃるだけですが、言葉以上に自身がさらに究めようとする姿を通して、弟子たちに探究する道の深さを示してくださっています。
 道を究めようとする姿勢は特定の文化に限るものではなく、ひとつの道を歩き続けようとする人間が持つ、根源的な業のようなものではないかと思います。あらゆる面で未熟な私を理解して長い目で見守ってくださる多くの方々の御助力に感謝するばかりですが、これからも向上心を失うことなく歩き続けたいと思います。
『山と渓谷』12月号 (c)山と渓谷社

『著者は語る』2011年 11月 13日 (日) 22時 21分
なにごとにも得手、不得手があるもので、料理でいえばおにぎりを握ることが苦手でした。自分でも美味しくないと思っていたそれが、近頃ふと美味しくなってきたように感じました。どうも握り方の強さの加減ができるようになってきたようです。母の苦手なカレーが20年以上経て徐々に美味しくなってきたように、続けているとちょっとした変化によって上達するようです。
 今週の週刊文春『著者は語る』というコーナーで拙著を紹介して頂きました。拙い対話をまとめて下さった記者の方に、心より感謝致します。あまり人生を振り返ることのない私ですが、文章にされたものを見ると、本当に短くあっけないものに感じます。たいしたことをしないうちに時が過ぎていくと実感する機会を与えて頂いているかのようです。
 それでもわずかながら向上していると思える日々を、健康に過ごせていることを幸せに思います。常に変化し続ける文化の、その瞬間を捉えることによって新たな変化のきっかけが生まれたら嬉しく思います。
週刊文春11月17日号 (c)株式会社文藝春秋

食文化2011年 11月 03日 (木) 12時 23分
 前回お話した『ミッション:8ミニッツ』は日本では10月28日より公開されたようです。日本版の予告は海外版と異なるため、全く違った印象を受けたのがまた興味深く感じました。
 奥多摩は夜気が冷たく、湖周辺の紅葉は見頃を迎えて晩秋の気配が色濃く漂っています。今年も残すところ2ヶ月を切り、あっという間に時が過ぎたことを実感します。今年は震災を初めとして様々な試練があったため、一日一日が非常に貴重に感じられました。鷹匠として責任の重さを感じる機会が増えてきましたが、生きていることに感謝し、日々新しいことに躊躇せず取り組んでいきたいと思っています。
 季節外れの話で恐縮ですが、8月に鷹師が『むさしの野草の会』の例会で講演会を行い、日本の鷹狩の歴史や里山の野鳥、植生などを景観設計の視点から話されました。オトギリソウの由来から里山の自然の在り様、21世紀の御鷹場の果たす役割まで広く話すことができるのは、鷹匠であるだけでなく伝統的な日本庭園の設計もされているからで、そのような能力や個性のすべてが文化に生かされていることを実感致します。私も自分のできることで文化を表現できればと思います。
講演の模様

アブダビ・フィルム・フェスティバル2011年 10月 03日 (月) 1時 07分
 アブダビからの帰国の折、機内ですぐに寝つけなかったため、いくつかの映画を見ました。昨年はエイドリアン・ブロディの『プレデターズ』を見て、プレデターと日本刀で戦う日本人のサムライのイメージを面白く思ったことが思い出されます。
 本年は8分間だけ過去に戻って事件を追う『ソース・コード』(邦題『ミッション:8ミニッツ』)が印象的な作品に感じました。時間的なパラドックスを描いた作品は、映像技術に依存しているように感じられて今まではあまり好きではなかったのですが、同作は科学的な要素をとりいれながらも情感に溢れた物語になっており、疑問は残りながらも救いのあるラストに感動しました。監督のダンカン・ジョーンズはデヴィット・ボウイの息子さんで本作が2作目だそうですが、これからも追って見たくなる魅力を感じました。
 また「レッド・ライディング・フード」(邦題:『赤ずきん』)のダークな世界観も面白く、最近のヴァンパイア(吸血鬼)を主役にしたドラマ同様にワーウルフ(オオカミ人間)を美的に捉えているのが印象的でした。その他『アンノウン』のキャストも魅力的に感じました。
フェスティバルのポスター
海外でヒットしても国内ではあまり話題にならずに公開が終わってしまう作品の中には、タイトルから想像されるイメージによって観客の年齢層や性別が限定されてしまうものがあるように思います。ADIHEXの会場内で、10月14〜23日にフィルムフェスティバルが開催されることを知りました。モデルとなっている東欧のユダヤ系アメリカ人、エイドリアン・ブロディも昨年はアブダビを訪れたようです。

『鷹匠の技とこころ』刊行のお知らせ2011年 9月 28日 (水) 1時 16分
 恥ずかしながら、このたび白水社から拙著『鷹匠の技とこころ〜鷹狩文化と諏訪流放鷹術』が刊行されましたので、お知らせ致します。
 本書は現代に継承されている諏訪流放鷹術の基になっている技とこころ、そして日本の鷹狩文化とはどのようなものかを端的に著したもので、鷹狩文化や鷹匠に対して興味を持って頂くきっかけとなれば幸いです。
 書くことには馴れているつもりでいましたが、感覚を文章にすることは思いのほか難しく、また自身が体得した感覚をいったん客観的な知識として咀嚼し、それを自己の表現として昇華させるという過程の大切さにあらためて気がつかされました。遅筆ぶりに編集の方にはご迷惑をおかけし、また寝不足が続き食欲不振にもなりましたが、文字の魅力と纏める行為に対する責任を再認識する機会を頂き、関係者の皆様には厚く御礼申し上げます。
『鷹匠の技とこころ〜鷹狩文化と諏訪流放鷹術』 (c)白水社
 鷹匠も鷹も十人十色ですが、ひるがえってみれば、私がここまで続けて来られたのは、鷹と当該文化に介在すると思われる文化的で不変の美しさ、実用の美といったものをいつか掌中に捉え、開いて見せたいと願ってきたためではないかと思います。それがわずかでも叶えられたのかどうかは読者の皆様のご判断に委ねたいと思いますが、文化としての鷹狩に対するご理解の一助となるよう心より祈念しております。
 まだまだ目指す道は遠く、未熟な私の成長を現在も根気よく見守ってくださっているすべての方々に心より感謝致します。

ADIHEX20112011年 9月 28日 (水) 1時 00分
9月14日から17日まで、UAEの首都アブダビ市内で開催されました「国際狩猟と馬術の展示会(International Hunting and Equestrian Exhibition)」に、本年も参加させて頂きました。
 空路で行きは12時間半かかる道程を2時間も早く到着したため、迎えを待っている間に空港から夜明け前の市内を漠然と眺めると、まだ夏の暑さが残っているとはいえ、昨年に比べて涼しく感じられました。
 本年は昨年まで行われていた催し物の一部がなくなった関係で、会場内は若干落ち着いた雰囲気で始まったように見えました。が、週末は例年通り多くの観光客と地元の子供たちでごったがえし、スタンドにあるものなら何でも持っていこうという迫力に押されました。
伝統的な踊りのようす
 私は人づきあいが苦手で、日本語で話していても理解しあうまでに何年もかかることがあるのですが、お陰様で何年も顔を合わせる方々とは徐々に親しくなることができ、また初めて出会う方との交流も楽しいものとなりました。
 アブダビ市は経済的な発展が著しいだけでなく、市内から発信する教育的・文化的な活動も年々増加しているように感じられます。様々な国や民族、人種の人々が集まってひとつの事業を成し遂げることの難しさは私の想像をはるかに超えるものだろうと察せられ、関係者の苦労が伺えました。

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